挑む割烹
割烹 渡辺
新潟市/日本料理
器の中で語り出す、新潟の四季。
料理人の感性が冴える一品
割烹渡辺のルーツは、川魚専門店「うろこや」(1933年創業)である。
かつて新潟市西蒲区にあった鎧潟は蒲原平野有数の大きな潟であり、潟端の暮らしには潟で獲れるフナやドジョウ、ナマズなどが欠かせなかった。
昭和30年代、干拓事業が始まって潟は消えた。
しかし「懐の広い、自然の恵みを料理に活かす」という考え方は90年経ても色褪せず、4代目店主でシェフの渡辺大生に受け継がれている。
その姿勢と手の込んだ料理、質の高いサービスや心地よい空間が認められ、2020年、世界的権威のグルメガイドでも高く評価された。
飽くなき探求心が、昨日の料理を超える時
用いる食材は新潟の旬のもの。若い時分には全国の産地や海外食材にも惹かれたが、家業を継ぎ足場を固める中で、新潟の農に傾倒したという。
「味が濃く、力強い伝統的な在来野菜は、料理のしがいがある」と渡辺。もともと食べることには目がなく、探求心も人一倍ある。魚介についても近海ものや県内河川の水揚げを最優先し、魚種に応じた処理を施し熟成させ、旨みを引き出している。
過去に、日本のイタリアンの重鎮から、「地元で花を咲かせられるのが素晴らしい料理人だ」と励まされた。
「今以てなお、その言葉に背中を押されています」と渡辺。伝統の日本料理と渡辺の感性が融合した料理に、新潟食材の可能性を見出す客は絶えない。
料理長渡辺 大生
1974年、新潟県新潟市(旧巻町)の料理店に生まれる。高校を卒業後、新潟市の割烹大直にて修業。24才で家業に入る。割烹渡辺を率いるかたわら新潟で活動中のシェフチーム「ll Laboratorio Di Cucina Niigata」(イル ラボラトリオ ディ クチーナ ニイガタ)の一員として研鑽を積む。新潟イチゼンのメニューには「手間なくおかずに、肴にと楽しめるものを」と瓶詰3種を展開。
1974年、新潟県新潟市(旧巻町)の料理店に生まれる。高校を卒業後、新潟市の割烹大直にて修業。24才で家業に入る。割烹渡辺を率いるかたわら新潟で活動中のシェフチーム「ll Laboratorio Di Cucina Niigata」(イル ラボラトリオ ディ クチーナ ニイガタ)の一員として研鑽を積む。新潟イチゼンのメニューには「手間なくおかずに、肴にと楽しめるものを」と瓶詰3種を展開。