進化して真価知る
八海生そば 宮野屋
南魚沼市/そば
雪国・魚沼の霊峰 八海山の麓で
100年の歴史を紡ぐ純手打ちそば
神々が鎮まる、天と地の接する聖なる場・霊峰 八海山。その麓、大崎口登山道の入り口に、100年4代にわたり行者や参拝者たちに手打ちそばを提供し続けてきた宮野屋がある。そばのほか、土地でとれる山菜や川魚を用いた素朴な料理も人気の的だ。
魚沼地方で守られてきた在来種の玄そばを、自家製扮して手打ちするのは4代目の米山俊介。就学まもない7歳から父を真似てそばを打ち、早や四半世紀。「遊びの延長からはじめた仕事。打ち方も当時のままの我流です」と笑うが、味の追求は止まるところを知らない。時間を作っては県内外の名人と呼ばれるそば打ちたちを訪ね歩き、教えを乞う。「見たことも聞いたこともない技がまだある。驚きと同時に気づきももらえるんです」
米山は自ら厳しく管理・保存したそばの実を挽き、フノリ(海藻)とオヤマボクチ(山ゴボウ)をつなぎに、しなやかでこしのある細いそばを丁寧に打つ。今後は製粉にも研究を重ね、二八そばのほか粗挽き、変わりそばにも取り組むという。「型にはまらず臨機応変に」と、進化を惜しまぬ若さがまぶしい。
滋味深い魚沼の味を、そばの実と共に
宮野屋では1年を通して山菜料理を提供しているが、米山はこれに、ある懸念を持っている。「アク抜きや乾燥後の手揉み、塩蔵など、山菜の保存には手間がかかる。果たしてそれを次世代につないでいけるのか?」。そばについても同様で、重労働のそば打ちが、地域の食文化として50年後も残れるのかも気がかりだ。そこで、「そばをもっと消費者に伝えたい」と前のめりになる。「そばの実をもっと身近に感じてもらい、その美味しさを食卓に取り入れてもらえたら」。在来種の玄そばを自らも作付け・収穫して手打ちそばに使っている米山だけあり、次代への想いは強い。
イチゼンで提案するのは、栄養価の高いそばの実を主食にした粥である。「そばの実を使ったロシアの定番料理・カーシャ(粥)のように、日本国内にもそば粥が広まったら嬉しい」。だしには山菜や鴨、酒粕など、土地の味をふんだんに掛け合わせる。決して華美ではないが、「それも魚沼の魅力」と胸を張った
店主米山 俊介
1988年、南魚沼市(旧大和町)生まれ。大学を卒業後、カナダへ語学留学し、23歳で帰郷、家業に入る。冬の閑散期を利用して南米やアフリカ、中東などを旅して見識を広めるほか、27歳の時にアメリカの大学に社会人留学。以後も南魚沼市の人気の宿・里山十帖(created by 自遊人)で料理修業を行うなど、学びは盛ん。「日本一のそば屋」を目指し、日々精進している。
1988年、南魚沼市(旧大和町)生まれ。大学を卒業後、カナダへ語学留学し、23歳で帰郷、家業に入る。冬の閑散期を利用して南米やアフリカ、中東などを旅して見識を広めるほか、27歳の時にアメリカの大学に社会人留学。以後も南魚沼市の人気の宿・里山十帖(created by 自遊人)で料理修業を行うなど、学びは盛ん。「日本一のそば屋」を目指し、日々精進している。
八海生そば 宮野屋の商品
-
そばの実粥セット
詳しく見る
5,940円(税込)